2018年7月にポルトガルを訪れた際に利用した各鉄道について。
大都市間を運行するもの、地方都市から更に田舎の小さな都市の間を結ぶもの、新しいものや年季の入ったものから落書きだらけのものまで。
日本とは異なる鉄道事情についての発見とリサーチです。
☆アヴェイロ駅→アゲダ駅
☆アゲダ駅→サン・ベント駅




オリエンテ駅(Oriente、リスボン)からアヴェイロ駅(Aveiro、アヴェイロ)へ
ポルトガル旅行の入口となったリスボンから次の目的地アゲダへ向かうため、ウンベルト・デルガード空港の東側、オリエンテ駅から鉄道を利用することに。
アゲダに向かうには、アヴェイロで乗換が必要なので、まずはアヴェイロを目指していきます。

長距離鉄道用の窓口でチケットを購入し、発車まで時間があったのでの道路を挟んですぐ向かい側にあるショッピングモール「バスコ・ダ・ガマ(Centro Vasco da Gama)」で昼食。
レストランは3階と4階の一部にありポルトガル料理はもちろん、寿司や中華まで様々なレストランがそろっています。
大きなスーパーもあり駅近なので、乗換までの空き時間やお土産の購入にはぴったりです。
ちなみに、モール内のトイレは無料で使えました。ありがたい。
昼食をすませ駅のホームへ。
オリエンテ駅はなんでもアテネオリンピックのスタジアムも手がけられたスペインの建築家の方が手がけたようで、青空に白いパラソルを開いたような解放感のある外観が印象的です。
アヴェイロ駅へ向かう途中のパンピリョーザ駅(Pampilhosa、パンピリョーザ・ド・ボタン)までは「インテルシダーデ(IC: Intercidades)」という地方都市間を結ぶ長距離列車を利用しました。
この後も何度かポルトガル国内の列車を利用したわけですが、列車の停車場所はホームに示されていません。
だいたいホームでは進行方向の前寄りに停車することが多く、国外からの旅行者も多いのか、列車が停まる度に進行方向の後ろ寄りの利用客たちの大移動を見ることができます。
こういう時は改めて日本の鉄道サービスの良さを実感します。
一等車内の様子。
2+1の座席配置でゆったりとしていて空調も効いており、たまたまかもしれませんが利用者はご年配でお金に余裕のありそうなが多く、静かで快適な環境です。
電気利用のためのソケットも付いています。
長距離の移動とポルトガルで初の鉄道利用ということで快適さと安全のために一等車にしましたが、二等車料金に数ユーロから十数ユーロを追加するくらいでお手頃でした。
ICから地方都市間を結ぶ普通列車「レギオナル(R: Regional)」に乗り換えるために下車したパンピリョーザ駅。
電光掲示板や案内板が無くアベイロ行きのホームがどれか迷ったのですが、駅員さんがポルトガル語にジェスチャーを交えて親切に教えてくれて、切符を見せながら話したのでスムーズに解決しました。
この後、無事にレギオナルに乗りアベイロ駅へ。
利用客は写真に写っているだけ。
廃墟となった工場が何とも印象的な駅でした。
アヴェイロ駅ではアゲダ行きのレギオナルへの乗り継ぎはわずか5分程しかなく、到着後走って急いで探しましたが、特急が停まる駅としてアヴェイロ駅自体は小さく、各ホームの案内も電光掲示板が設置されていてわかりやすかったので無事に乗り換えることができました(カピバラ妻いわく、神戸の三ノ宮駅や長野県の軽井沢駅が同じくらいの規模感らしい)。
ここでちょっと驚いたのが、ポルトガル鉄道には失礼な話ですが、けっこう時刻どおりに鉄道が運行されていたこと。
欧州の鉄道だと時刻通りに運行されないことが日常茶飯事かと思っていたので、感心してしまいました。
アヴェイロ駅(Aveiro、アヴェイロ)からアゲダ駅(Agueda、アゲダ)へ
ただ、それ以上にアゲダ行きの列車にはいろいろと驚かされました。
まず、写真のとおり列車の落書きがすごいです。
どれくらいすごいかというと、窓にもスプレーで落書きがされていて外の景色が見えない(笑)
さすがに車内には落書きはありませんでしたが、「なんで消さないんだろう」とか「いつ落書きするんだろう」とかいろいろ考えちゃいました(笑)
あと、列車が発車して少ししないとドアが閉まりません。
「え、これ開いたままだけど?」と驚きました。
風が入ってきて気持ちいいんですけどね。
こういう仕組みの列車ってヨーロッパではけっこう一般的なんでしょうか。
アゲダ駅に到着。
車内には観光客と思しき人が多く、平日でしたが数人がアゲダで降りました。
思わず列車全体を撮影しちゃいました。
落書きが徹底されていて、わざと描かせているんじゃないかと思っちゃいます。
ちなみに、アヴェイロ・アゲダ間の運賃は約40分乗車して2.15ユーロでした。
小さいながらも可愛らしいアゲダ駅(無人駅です)。
ちなみに、アゲダ駅までは車内放送や車内掲示板が無いので、列車が停止する度に自分で停車駅を確認して、あと何駅で着くか要確認です。
駅を出て左に曲がり通りに出て、右にしばらく進むと街の中心部にたどり着きます。
傘を使った地域おこしで世界中から旅行客が訪れる小さな街アゲダ。
傘祭りについてこちらの記事をどうぞ。

アゲダを発ちポルトへ向かう日に乗車した列車は、落書きこそ多少あるものの外の景色は見ることができました。
ご参考までに、アゲダ駅は無人駅なので券売機も無ければ駅員さんもいないので、切符は乗車後、巡回してくる車掌さんに目的地を伝えて買ってください。
アゲダ駅(Agueda、アゲダ)からサン・ベント駅(Porto Sao Bento、ポルト)へ
アゲダ駅から乗車しアベイロ駅で下車してリスボン、ポルトなど大都市への近郊列車「ウルバノス(R: Urbano)」に乗り込みます。
平日にもかかわらず利用客が多かったのですが、オリエンテ駅での学びを生かし進行方向側のホーム端寄りで待っていたら何とか座ることができました。
車内はこれまでの列車の中では一番新しい印象を受けました。
ただ、車内の冷房は強めで、外の気温が27度くらいだからとショートパンツをはいていたカピバラ妻はすっかり冷えてしまったようだったので、同車両を利用し長時間の乗車をされる女性の方などは暖かい格好で乗車されることをオススメします。
サン・ベント駅内の乗り場の様子。
まとめ
今回、初めてのポルトガル旅行で初めて列車を利用しましたが、時間は割と正確だし、乗り心地も悪くないし、(物価のおかげで)料金も安いし、対応してくれた従業員の方は英語を話すことができるし、総じてとても快適でした。
リスボンからポルトに直接向かう場合には飛行機という選択肢もあるかと思いますが、個人的には、ゆっくりですが、快適に景色を眺めながら移動できるポルトガル鉄道がオススメ。
ストライキがある場合はネットでチケットを購入することができなかったりと、日本とは異なる文化の影響があることもありますが、事前に目的地と、そこまで特急か各駅停車で向かうのか見通しを立てておけば現地でそれほど困ることもないかと思います。
ぜひ鉄道を利用し、自然豊かなポルトガルの景色をゆっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか。
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